自然科学の不思議さ

「先送り」は生物学的に正しい

「先送り」は生物学的に正しい.jpg究極の生き残る技術
進化生物学者 宮竹貴久著
2014年3月19日発行
講談社新書
840円

 一般的に「先送り」は、悪いことだというイメージがある。仕事も、勉強も、家事も、先送りにしたツケはたいてい後で自分に返ってくるとされる。しかし、先送りこそ、多くの生き物が進化の過程で身につけてきた賢い生き残り戦術なのだ。

続きを読む "「先送り」は生物学的に正しい"

生物学的文明論

本川達雄著
2011年6月20日発行
新潮新書
740円

 衝撃的な『ゾウの時間 ネズミの時間』から20年。再び、著者が現代社会の問題点を生物学者の視点から切り込む。生物多様性、地球温暖化、南北問題そして共生やリサイクルなどを考えるヒントもおもしろい。また、今まで見逃していた生物や自然の不思議さに気づかされる。そして、還暦を過ぎたこれからの生き方にも驚かされる。

続きを読む "生物学的文明論"

センス・オブ・ワンダーを捜して

生命のささやきに耳を澄ます
福岡伸一 阿川佐和子著
大和書房
2011年11月1日発行
1400円

 人間にとって子ども時代とは、生きるとは何なのかを深く考えさせられる1冊である。そして、機械論的にこだわらず動的平衡も視野に入れて患者さんと向き合いたいと思う。
 また、2人の対談からインタビューの秘訣も学んだ。質問をひとつだけ用意する。その答えをじっくり聞き、答えの中に次の質問を見つける。

続きを読む "センス・オブ・ワンダーを捜して"

内部被曝の真実

児玉龍彦著
幻冬舎新書
720円
2011年9月10日発行

 7月27日に行われた衆議院 厚生労働委員会に於いて参考人として、国が「測定と除染」に今すぐ全力を挙げなければ、子どもたちと妊婦を守れないことを熱く語った。そして、それは大きな反響を呼んだ。そのスピーチを完全収録したこの本をぜひ読んでいただきたい。「世の中を変える研究というのは純粋な心から生まれるものである」は、心に残る。

続きを読む "内部被曝の真実"

生物多様性とはなにか

井田徹治著
岩波新書
720円
2010年6月18日発行

 第6の大絶滅、生命史上最大の危機を迎えている。これまでの過去5回と質的に異なり、人間の活動が原因である。また、絶滅後に新たな種が生み出されてきた現場だった湿地や熱帯雨林も、今回は破壊が急速に進んでいる。
 「生物多様性のホットスポット」を取材してきた環境問題を専門とする記者が、問題点とこれからの糸口を紹介している。ぜひ、この機会に当たり前が当たり前でなくなっていくことに気づき、考え行動したい。
 アサリやハマグリをよく見てみると、同一の種であっても、どれ一つとして同じ模様のものがない。これは、どれ一つとして同じ遺伝子の個体はないことの現れである。自然界で個体数が減少したり生息地が縮小したりすると近親交配が起こりやすくなり、遺伝的な多様性が失われる。すると、病気や環境の変化に適応する能力が低くなり、絶滅する危険性が高くなるといわれている。

続きを読む "生物多様性とはなにか"

体温を上げると健康になる

斉藤真嗣著
サンマーク出版
1400円
2009年3月25日発行

 「低体温」がなぜ起きるのでしょうか、そして低体温だとなぜ病気を招いてしまうのでしょうか、最新の医学知識を盛り込みながら説明すると共に、低体温を改善し、健康な体を手に入れるための、最も効果的な方法を述べたものです。
 自分の平熱を知っていますか。

続きを読む "体温を上げると健康になる"

ゾウの時間ネズミの時間

    サイズの生物学
本川達雄著
1992年8月25日発行
中央公論社
680円

 読み継がれてきたことに納得できる本である。
 動物が変われば時間が変わるということを知った時は、新鮮なショックを感じた。時間が違うということは、世界観がまったく異なるということである。時間とは、最も基本的な概念である。しかし、自分の時計は何にでも当てはまると、なにげなく信じ込んで暮らしてきた。そういう常識をくつがえしてくれるのが、サイズの生物学である。一生を生き切った感覚は、ゾウもネズミも変わらないのではないかと思う。
 サイズを考えるということは、ヒトというものを相対化して眺める効果があり、ヒトの自然での中の位置を知ることが出来る。人が己のサイズを知る、これは人間にとって、最も基本的な教養であろう。

続きを読む "ゾウの時間ネズミの時間"

世の中意外に科学的

櫻井よしこ著
集英社
2005年3月9日発行
1470円

 「読み書きそろばん」が日本の教育を世界最高水準に押し上げてきた要素だった。ゆとり教育がこれからの日本に何をもたらすのか。アメのみあふれている現代教育へのひとつの警鐘になる1冊である。科学のおもしろさ、楽しさ、科学への興味をしっかりと子どもたちに伝えてほしい。巻末のノーベル物理学者小柴昌俊氏との対談も見逃せない。

続きを読む "世の中意外に科学的"

露の身ながら

往復書簡
いのちへの対話
露の身ながら
著者 多田富雄 免疫学者
    2001年 5月、脳梗塞で倒れ声を失い右半身不随となる
    抑制T細胞を発見   
   柳澤桂子 遺伝学者
        T遺伝子の研究
        1969年原因不明の難病
集英社
2004年4月30日発行
1400円
障害者一年目と、病床三〇年の往復書簡である。不自由な体でワープロを打ちながら書かれた一字一句に感動を覚える。気持ちの整理が付いて、次第に自分のことから、違った立場から生命科学を学んだもの同士でお互いに意見を述べあうようになり、生物学の解説を超えて、現代の科学、人間の生死や文明についての深い哲学的洞察が見られるようになる。このエネルギーはどこから来るのだろうか。

続きを読む "露の身ながら"

iPS細胞ができた!

ひろがる人類の夢
iPS細胞ができた!

著者
山中伸弥 京都大学再生医科学研究所教授
畑中正一 京都大学名誉教授 ウイルス研究

集英社
1100円
2008年5月31日発行

世界が注目した偉業を2人の対談でわかりやすく解説した1冊。これからどんな道が開け、何が課題なのかじっくり読んでいただきたい。また、研究の環境整備も考えさせられる。

続きを読む "iPS細胞ができた!"

ページの先頭へ戻る