生き方

老いの歌

新しく生きる時間へ
小高賢著
岩波新書
2011年8月19日発行
700円

 多種多様な短歌が登場する。ゆっくり味わってもらいたい。これほど多くの高齢者が短歌を試みることができるのは、五七五七七の定型があるからだ。距離をもった視線が、現代の老いの歌の特色だろう。老い自らが自分の内側を覗いている。また、老いそのものを知ることができ、自分たちに到来する・している〈老い〉を見つめ直すきっかけにもなる。そして、「老い」は無限に広がる新しい場所なのである。ひとつだけ紹介する。
 もの食むをゆるされたけれど何ひとつ食ひたきもの無き身となりぬ〈前登志夫〉
病気になった時悩まされるのは検査である。多くの検査で疲労し、衰弱してしまう。その思いが伝わる。

続きを読む "老いの歌"

神様の女房

もう一人の創業者・松下むめの物語
高橋誠之助著
ダイヤモンド社
2011年9月8日発行

 20年以上にわたり執事として松下家に関する一切の仕事を担った高橋氏が、松下むめのさんの生涯を描いた一冊。経営のあり方、スタッフとの関係に於いて非常に参考になる。 むめのは、小さい頃から、わからないことはわからないと言い、理解が早く、事の本質をすぐつかんだ。また、相手に尽くす生き方を母こまつに教わった。そして、何事も先ずはきっちりとしたけじめが大切だと考え、松下電器を人間として筋の通る会社へと育てた。

続きを読む "神様の女房"

TOKYOオリンピック物語

野地秩嘉著
小学館
2011年2月12日発行
1800円

 著者が1995年から取材を始め、完成までに15年間も要した力作である。
 オリンピックを支えた者たちは、真正面からオリンピックに向かい合い、何年もの間、オリンピックだけのことを考えて人生を送った。オリンピックの主役である選手たちより、彼らはオリンピックの本質を理解していた。
 彼らが大きな仕事を遂行するため、試行錯誤の上にたどりついたのがマニュアルとシステムを作ることだった。自分たちの体験を仲間に伝え、ミスが起こらないようにしたのがマニュアル化だ。自分の恥だと思って、抱えてきた失敗を他人に進んで公開することで、同じようなミスが起こるのを防いだのである。システムとは自分が知らせたくないことを他人に伝えることから設計が始まる。
 今の日本人にたりない、がむしゃらな情熱と変化を恐れない腹のくくり方をこの本から学びたい。

続きを読む "TOKYOオリンピック物語"

JAZZはこの一曲から聴け!

マイ・フェイバリット・アルバム100

寺島靖国著
講談社新書
880円
2000年9月20日発行

 ジャズ喫茶の親父が選んだ100枚のアルバム。ジャズ好き、オーディオマニアが1曲へのこだわりを語る。新しい出会いが見つかるかも。
 もっきりやのライブで耳を鍛え、自分を信じて、また新しい人を聴きに出かけよう。そして、リビングでは、その日の気持ちから選んだレコードに針を落とし、コーヒーを飲みながら、ジャズを楽しもう。早くアドリブのフレーズを口ずさみたい。

続きを読む "JAZZはこの一曲から聴け!"

宇宙飛行士選抜試験

ドキュメント
宇宙飛行士選抜試験
大鐘良一・小原健右著
光文社文庫
800円
2010年6月20日発行

 優れた宇宙飛行士に求められる資質は、世界で戦うビジネスマンに求められる資質と同じ。グローバル化が急速に進む中で今、日本人は、どのような資質が求められているのか。
 数々の課題を候補者たちが乗り越えていくプロセスを見ていくと、必ず"就活"の大学生にとっても、ビジネスマンにとつても、活路を見出すヒントが隠されているはずである。
 想像を超える危機を乗り越える上で、最も大切なものは"折れない心"と、「失敗したことに関してはリーダーの責任で、逆に成功したことに関しては部下の手柄だ。」と決断する心だと思う。

続きを読む "宇宙飛行士選抜試験"

空気は読まない

鎌田實著
集英社
2010年2月28日発行
952円

 医療や福祉の現場だけでなく、様々な分野に見られる空気を取り上げ、考えさせられる内容になっている。涙や感動の場面も登場する。日本人は空気に感染しやすく、極端に右に左にぶれやすい。自分を振り返り、これからを見つめ直す時、新しい生き方、一本の信念が見えてくる。ぜひご一読を。

続きを読む "空気は読まない"

It`s now or never

薬害C型肝炎と向き合って
福田衣里子・古賀克重・有富朋礼著
書肆侃侃房
2008年11月13日発行
1500円

 20歳の時、「C型肝炎ウイルスに感染して、20年経過している」と知らされた筆者が生い立ちからを振り返った1冊である。いつも、何か行き詰まったり、悩んだ時、手帳の片隅に書いている「It`s now or never(今しかない)」が勇気を与える。
 避けることが可能だったのに、リスクを知りながらも使われ続けた薬による被害者とその周りの人たちの葛藤が心に伝わる。夢、希望、可能性、選択肢を今とこれからも持ち続けて欲しい。
 後半の弁護士 古賀克重の「薬害肝炎訴訟~その闘いの経緯~」と医師 有富朋礼の「C型肝炎について知っておきたいこと」も一読を。

続きを読む "It`s now or never"

男の作法

池波正太郎著
新潮文庫
昭和59年11月25日発行
438円

 池波正太郎の「若い友人」佐藤隆介氏の様々な質問に答えられたものが、きわめて具体的に男の生き方を教えるこの一冊になっている。食卓の礼儀作法に始まり、人事、組織、贈り物、小遣いなどなど。引き戸や畳などの日本の家についても語る。自分を知り、自分本位ではなく、他人を思いやり、気をまわす日本の心に触れたように思う。

続きを読む "男の作法"

働く幸せ

仕事でいちばん大切なこと
大山泰宏著
WAVE出版
2009年7月31日発行
1400円

 「知的障害者が働く会社が、1つくらい日本にあってもいい」という「思い」から、知的障害者が社員の7割を占める経営を指揮してきた大山氏の嵩みある言葉が心に響く。 「うまくいかないことを障害者のせいにはできないんだよ。彼らの理解力に合わせて、納得してもらえるように説明するのが君の仕事なんだ」

続きを読む "働く幸せ"

ビジネスのサムライ

小野三郎
日経BP社
2004年10月25日発行
1400円

元新日鉄マンの平成サラリーマンに宛てた渾身の「遺書」。荒廃した日本には、「子が親に孝行を尽くそうという気持ち以上に、親は子の幸せを祈っている」がすべてではないか。自分の行いに照らし合わせて、読んでいただたい一冊である。

続きを読む "ビジネスのサムライ"

ページの先頭へ戻る