2015年3月11日

「口腔ケアを考える」講義と実習

さくらセンター1.JPG 3月11日(水)午後2時から4時まで、さくらセンター食堂にて、「口腔ケアを考える」講義と実習。多職種 28名(施設長・部長1名、相談員1名、ケアマネージャー3名、事務員3名、栄養士・調理員4名、看護師6名、介護職員9名、機能訓練士1名)が参加していました。熱心に聴講し、楽しく相互実習に取り組んでいただきました。また、介護現場からの素朴な多くの質問に対して解説しました。

レジュメ
 はじめに 口腔ケアとは
  1.本人・家族・介助者の口腔清掃
      うがい、歯磨き、義歯の清掃、粘膜・舌の清掃
  2.歯科衛生士による専門的な口腔ケア
   ①治療的なクリーニング(器質的な口腔ケア)
   ②口腔機能回復(機能的口腔ケア)
      リラクゼーション(脱感作)、口腔周囲筋の運動訓練、
      咳嗽(せき払い)訓練、嚥下促進訓練、発音・構音訓練 
 【口腔ケアの効果】
  1.誤嚥性肺炎のリスク回避
  2.風邪・インフルエンザのリスク回避
  3.食べる意欲の改善
  4.栄養状態の改善
  5.認知症予防

A.口腔内状態と口腔機能
 【ポイント】
   ・プラークと食物残渣は違う。
      前者は清掃の問題、後者はリハビリ。
   ・麻痺側、使わない方が汚れる
      口から食べていない経管栄養の方が汚れる
      食べなくても清掃する
   ・うがいができるかどうかは口腔ケアの難易度の大きな目安
   ・下唇がスイッチ、上唇が1回量
   ・胃ろうでも誤嚥性肺炎は起きる
      唾液は呑みこんでいる
   ・舌を口唇より前に出せない人は、下の総義歯を使えない
   ・入れ歯の効果
     上の入れ歯入れるだけ唾を呑み込みやすくなる
     入れ歯を上下入れて奥歯がしっかり咬めると、
      お腹に力が入り上体を起こしやすい
  a.歯肉
   1.歯肉炎Gingivitis=Gingivitis without attachment loss
        歯肉に限局した炎症で発赤、腫脹が見られ、無痛に出血します。
        歯肉炎は非特異的感染であり、プラークの増加が原因と考えられます。
     喫煙と歯肉
   2.歯周炎Periodontitis=Gingivitis with attachment loss
        レントゲンにて歯槽骨吸収が見られます。
        歯の支持組織の破壊を伴う歯周炎では
      特異的な感染が見られます。
      歯周病原菌
       Porphyromonas gingivalis
         Tannerella(Bacteroides)forsythensis
         Treponema denticola
          Prevotella intermedia
          Aggregatibacter(Actinobacillus)actinomycetemcomitans
      などが考えられています。
     ①腎疾患と歯周炎
     ②糖尿病と歯周炎
          ③免疫抑制剤と歯周炎
  b.舌
   ・舌苔は積もった状態ではなく、が伸びてブドウ球菌が付着したもの
   ・ガンジダは抗真菌薬(フロリードゲル経口用を1日5グラム、
              3回に分けて7から14日塗布)
   ・地図状舌 ストレス
   ・舌静脈  
  c.口臭
  d.口腔乾燥
  e.口腔機能
    ・舌打ち、舌による口蓋の海苔剥がしなど
    ・ぶくぶく、ごろごろのうがい
    ・パタカの発声やアウベ体操
    ・食事時の姿勢

B.相互実習
 スプーン介助と歯ブラシによる痛み 

C.日頃の口腔ケアを適切に行うポイント
 a.本人(介護者)が行うセルフケア
   ・誤嚥させない
   ・口腔ケアはできるだけ痛くないように気持ちよく
   ・保湿が大切(特に口唇)オーラルバランス等を利用する
   ・前歯部は鋭敏なので奧から歯ブラシを当てる
 b.ケアしやすい姿勢と高さ
   ・座位が取れる方はその姿勢で
   ・ベットの方は背中を30~60度ぐらい少しずつ上げ、
     膝を軽く曲げ、身体が足元へずれていかないように工夫する
    ・背抜き、足抜き
   ・全くの寝たきりの方で、ヘッドアップに危険性があり水平位で
     行う場合は誤嚥に特に注意し、健側を下にする
   ・術者の腰に負担のかからないように高さを調整する
 c.歯科医師、歯科衛生士が行う専門的口腔ケア
 d.口腔ケアグッズ
   歯ブラシ ゲンキ、タフト、ガーゼ、口角鈎

 e.口腔ケアに伴うリスクの管理
    奧から手前への清掃が基本
    誤嚥を防ぐために姿勢が大切。口の健常側を下にする
    舌の観察 舌苔、地図状舌、舌下部静脈
    誤嚥は始めに起こりやすいので、10分以上前から口腔ケアの体勢を整えておく
    食後30分ほど座位を保つ 直ぐに寝かせない

 D.口から食べる支援と口腔リハビリ


最後に 重点対象者の診察と個々の歯科治療や口腔ケア計画の立案
     ①お口のトラブルがある(歯が痛い、入れ歯が合わない)
    ②口臭や舌苔、歯肉からの出血がひどくなってきた
    ③食物残渣が増えてきた、口腔内に麻痺がある
    ④うがいができない、経管栄養の方
    ⑤微熱を繰り返す、むせがひどい、呑みこみづらくなる
    ⑥食欲がない、体重が減少してきた
    ⑦入所間もない方

 

 

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