2013年2月17日

基礎講演会 口腔ケアを考える

基礎講演会 口腔ケアを考える1.JPG 介護老人保健施設 内灘温泉保養館が来月から口腔機能維持管理体制加算を算定したい旨の連絡を受けて、1/17(木)午後1時半~2時半にその打ち合わせにお伺いしました。口腔ケアを推進するための課題、目標、具体的方策、留意事項など入所者の口腔ケア・マネジメントに係わる計画について、そして、基礎講習会の開催日程、対象者、内容についても協議しました。また、訪問診療の曜日や時間帯も調整しました。

 2月1日に、内灘温泉保養館と協力医院契約を結び、入所者の歯科に関しての診察、治療などの処置を図ることになり、また、施設の口腔機能維持管理体制も応援することになりました。
 2月16日(土)午後1時30分から内灘温泉病院1階多目的室にて、「基礎講演会 口腔ケアを考える」をお話ししました。内灘温泉保養館や温泉病院の看護師、栄養士、介護士の代表者8名が参加しました。積極的に和気あいあいと受講され、また、楽しく相互実習を行いました。後日、参加者がそれぞれの職種で伝達講習会を開き、施設全体の共通理解を深める予定です。
 今後も、口腔機能管理に係わる助言を続けていきたいと思います。
  基礎講演会 口腔ケアを考える2.JPG  基礎講演会 口腔ケアを考える3.JPG  基礎講演会 口腔ケアを考える4.JPG

口腔機能維持管理体制加算1.jpg  口腔機能維持管理体制加算2.jpg    口腔機能維持管理にかかわる助言内容.jpg

施設の口腔ケア・マネジメント計画書.pdf

レジュメ

今日の予定
 はじめに 口腔ケアとは
 A.口腔内状態と口腔機能
 B.相互実習
 C.日頃の口腔ケアを適切に行うポイント
 D.口から食べる支援と口腔リハビリ
 最後に 重点対象者の診察と個々の歯科治療や口腔ケア計画の立案

 はじめに 口腔ケアとは
  1.本人・家族・介助者の口腔清掃
      うがい、歯磨き、義歯の清掃、粘膜・舌の清掃
  2.歯科衛生士による専門的な口腔ケア
   ①治療的なクリーニング(器質的な口腔ケア)
   ②口腔機能回復(機能的口腔ケア)
      リラクゼーション(脱感作)、口腔周囲筋の運動訓練、
      咳嗽(せき払い)訓練、嚥下促進訓練、発音・構音訓練 
 【口腔ケアの効果】
  1.誤嚥性肺炎のリスク回避
  2.風邪・インフルエンザのリスク回避
  3.食べる意欲の改善
  4.栄養状態の改善
  5.認知症予防

A.口腔内状態と口腔機能
 【ポイント】
   ・プラークと食物残渣は違う。
      前者は清掃の問題、後者はリハビリ。
   ・麻痺側、使わない方が汚れる
      口から食べていない経管栄養の方が汚れる
      食べなくても清掃する
   ・うがいができるかどうかは口腔ケアの難易度の大きな目安
   ・下唇がスイッチ、上唇が1回量
   ・胃ろうでも誤嚥性肺炎は起きる
      唾液は呑みこんでいる
   ・舌を口唇より前に出せない人は、下の総義歯を使えない
   ・入れ歯の効果
     上の入れ歯入れるだけ唾を呑み込みやすくなる
     入れ歯を上下入れて奥歯がしっかり咬めると、
      お腹に力が入り上体を起こしやすい
  a.歯肉
   1.歯肉炎Gingivitis=Gingivitis without attachment loss
        歯肉に限局した炎症で発赤、腫脹が見られ、無痛に出血します。
        歯肉炎は非特異的感染であり、プラークの増加が原因と考えられます。
   2.歯周炎Periodontitis=Gingivitis with attachment loss
        レントゲンにて歯槽骨吸収が見られます。
        歯の支持組織の破壊を伴う歯周炎では
      特異的な感染が見られます。
      歯周病原菌
       Porphyromonas gingivalis
         Tannerella(Bacteroides)forsythensis
         Treponema denticola
          Prevotella intermedia
          Aggregatibacter(Actinobacillus)actinomycetemcomitans
      などが考えられています。
     ①腎疾患
     ②糖尿病

  b.舌
   ・舌苔は積もった状態ではなく、が伸びてブドウ球菌が付着したもの
   ・ガンジダは抗真菌薬(フロリードゲル経口用を1日5グラム、
              3回に分けて7から14日塗布)
   ・地図状舌 ストレス
   ・舌静脈  
  c.口臭
  d.口腔乾燥
  e.口腔機能
    ・舌打ち、舌による口蓋の海苔剥がしなど
    ・ぶくぶく、ごろごろのうがい
    ・パタカの発声やアウベ体操
    ・食事時の姿勢

B.相互実習
  2人一組 目を閉じる
  スプーンでプリンを食べさせる
  歯ブラシの相互実習  
    下7番舌側と上7番の遠心 頬を広げる
    上唇小帯
用意するもの
  各自の歯ブラシ、コップ、スプーン
  水、プリン、バケツ

C.日頃の口腔ケアを適切に行うポイント
 a.本人(介護者)が行うセルフケア
   ・誤嚥させない
   ・口腔ケアはできるだけ痛くないように気持ちよく
   ・保湿が大切(特に口唇)オーラルバランス等を利用する
   ・前歯部は鋭敏なので奧から歯ブラシを当てる
 b.ケアしやすい姿勢と高さ
   ・座位が取れる方はその姿勢で
   ・ベットの方は背中を30~60度ぐらい少しずつ上げ、
     膝を軽く曲げ、身体が足元へずれていかないように工夫する
   ・全くの寝たきりの方で、ヘッドアップに危険性があり水平位で
     行う場合は誤嚥に特に注意し、健側を下にする
   ・術者の腰に負担のかからないように高さを調整する
 c.歯科医師、歯科衛生士が行う専門的口腔ケア
 d.口腔ケアグッズ
   歯ブラシ ゲンキ、タフト、ガーゼ
   口角鈎

 e.口腔ケアに伴うリスクの管理
    奧から手前への清掃が基本
    誤嚥を防ぐために姿勢が大切。口の健常側を下にする
    舌の観察 舌苔、地図状舌、舌下部静脈
    誤嚥は始めに起こりやすいので、10分以上前から口腔ケアの体勢を整えておく
    食後30分ほど座位を保つ 直ぐに寝かせない

 D.口から食べる支援と口腔リハビリ


最後に 重点対象者の診察と個々の歯科治療や口腔ケア計画の立案
     ①お口のトラブルがある(歯が痛い、入れ歯が合わない)
    ②口臭や舌苔、歯肉からの出血がひどくなってきた
    ③食物残渣が増えてきた、口腔内に麻痺がある
    ④うがいができない、経管栄養の方
    ⑤微熱を繰り返す、むせがひどい、呑みこみづらくなる
    ⑥食欲がない、体重が減少してきた
    ⑦入所間もない方

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