2009年11月 9日

離乳の支援を学ぶ

 濱口ゆう子氏の話を聞いて
http://www.kojimashika.net/2009/09/post-366.html
 歯科医師、歯科衛生士の他に医師、看護師、助産師、言語聴覚士、保育士、調理師など様々な職種の方々が参加していた。

メモ
1.「食」の支援の考え方が変わった!
 ①平成15年に栄養改善法が廃止になり、「健康増進法」が施行された。
   それに伴い集団給食施設が特定給食施設になり、学校、保育所、病院などの給食が集団から個々人への対応(栄養管理)になった。

   栄養改善法 http://www.houko.com/00/01/S27/248.HTM
   健康増進法 http://www.kenkounippon21.gr.jp/kenkounippon21/law/index_1.html

 ②平成17年に「栄養所要量」が廃止になり、「日本人の食事摂取基準(2005年版)」に変わった。
   平均的なカロリー量やタンパク質量の「もの」を提供するから、食べた「人」を診ていくという考え方に大きく変わった。真の必要量は誰にもわからないから、個々のアセスメント(身長、体重など)や継続的なモニタリングすることにより確かめ、また、不足や過剰のリスクを生じる確率を低くする。そして、2010年度版では、生後1才未満が2区分から3区分に変更になり、生後6ヶ月未満(0~5ヶ月)、6ヶ月以上9ヶ月未満(6~8ヶ月)、9ヶ月以上1才未満(9~11ヶ月)になった。

    日本人の食事摂取基準 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/11/h1122-2.html

 ③保育の一環として食育を考える
  食育は生きる上での基本であり、知育、徳育、体育の根本をなす。栄養士任せではなく、保育士自らが支えていくことになった。「赤・黄・青(どの栄養素がどのくらい必要か)を教える」から「食べる力の育ちを支える」また、「集団から個人を見る」に変わった。

  平成16年「保育所における食を通じた子どもの健全育成(いわゆる『食育』)に関する取組の推進について」
  平成17年「食育基本法」
  平成21年「保育所保育指針の改定について」

 ④平成19年「授乳・離乳の支援ガイド」
  「『もの』から『人』へ」と「『教える』から『支える』へ」を基本として作成された。これまでのこんな風にしてくれとか、手順を教えていた基本ではなく、支援者のためのガイドである。子どもにさせるのではなく、動きを引き出すにはどうすればよいかが書かれている。目的は「子育て支援」であり、授乳・離乳の基本を教えることではない。一人一人の発達を重視し、食べる機能の発達に着目している。

参考図書
   授乳・離乳の支援ガイド 実践の手引き
      財団法人 母子衛生研究会 編集
   母子保健事業団 発行
   2008年3月25日発行
   3500円

2.お母さんの悩みってどんなこと?
    不安は授乳期と離乳期に多い。

3.今どきの授乳・離乳最新情報
   目的は母親に自信を持ってもらうこと。
 ①授乳
   お母さんがタマゴや牛乳を止めても、子どものアレルギー発症率低下には関与しない。
   ミルクを作るお湯は一度沸騰させて70℃にして使う。
   母乳を飲ませられないことで、お母さんが自信を失わないように配慮する。
      乳首は赤ちゃんの上顎の凹みの形に合ったもので、一人一人違う。
 ②離乳
   以前は「離乳準備期」として離乳開始前に乳汁以外の味に慣れさせるために果汁などを与えていたが、栄養学的にも意義が認められないので与えなくてもよい。哺乳反射や舌を押し出さなくなった時期に始めれば親子とも無理がない。「初期」「中期」「後期」「完了期」などの区別を無くして一連の流れで考え、時期ではなく、赤ちゃんの動きを見ることが重要である。そして、離乳の開始や終了の時期も生後5~6ヶ月頃、12~18ヶ月頃となり、目安量も何g→何gから何g~何gになった。また、離乳開始頃は味付けの必要はない。

4.離乳期の食のポイント ~一人一人の発達を支援~
  離乳食開始時スプーンを下唇にのせることと、上唇を閉じてきて(捕食)からスプーンを抜くゆとりを持つことが大切であり、食べればよいのではなく、食べる機能を育てることが重要である。スプーンの深さや先端の形も3種類ほどあり使い分けする。食べる量を見るのではなく、成長曲線(母子手帳にある)で成長を確認する。10ヶ月頃、目の前の食べ物をつかむ動きを止めないようにする。手づかみ食べは「自分で食べる機能」と「食べる意欲・生きる意欲」を発達させる。一人で座れるようになったら、足底が床にしっかり着く安定した姿勢で食べさせ、テーブルの高さは肘の高さが目安である。

5.口腔機能の発達と食の支援
  以前に比べて指示が曖昧になり、かえって混乱が起きたり、お母さんにどう伝えればよいか難しくなった。そこで、何のために何を今発達させているのかを分かりやすく理論的にお話しして不安を無くす。「食べる」ことは学習であり、効率よく学ぶ教材が離乳食である。何を学んでいるのかを理解し、子どもの動きを引き出す支援をする。しかし、離乳が完了する生後18ヶ月に、大人と同じものをすべて食べられるわけではなく、繊維性食品は無理である。また、機能の発達を無視して食べさせると、口の発育・発達に問題が生じることもある。

 ①噛んで食べる機能発達を育む食べさせ方の支援
   飲み込む動きを引き出す
   口に取り込む動きを引き出す
   噛む動きを引き出す
 ②食器から水分を飲む機能発達への飲ませ方の支援
   コップから水を飲む動きを引き出す
 ③発達に合わせた調理形態の支援
   飲み込みやすい物性の食品
   つぶれやすい物性の食品
   噛みやすい物性の食品

参考として
離乳の支援 http://www.kojimashika.net/2009/03/post-250.html

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