カリオロジー(う蝕の科学)について
講 師 扇が丘歯科医院 山本 司先生
と き 2011年9月15日(木)午後7時半~午後9時
ところ 金沢都ホテル5階「蓬莱の間」
対 象 保険医協会会員(参加無料、定員30人、事前申込み必要)
申込み 9月12日までにFAXでお申し込みください
(講師の先生への質問ある場合は、9月5日まで)
主催 石川県保険医協会/学術・保険部
電 話;076(222)5373 / FAX;076(231)5156
質問
猛暑が続き脱水症対策としてスポーツドリンクを飲む機会が増えています。スポーツドリンクを飲むと虫歯になるのではと心配です。
回答
虫歯ができるのは、口の中のばい菌、食べ物や習慣、歯質や唾液の3条件が揃った時です。特に、乳歯や萌出したばかりの永久歯は虫歯になりやすく、砂糖との出会いが虫歯菌の活躍の場を作ります。そして、スポーツドリンクにも砂糖は含まれています。従って、次のような飲み方は避けましょう。
1.水代わりに頻繁に飲むこと
2.哺乳瓶などでだらだらと飲むこと
3.寝る前に飲んでそのまま眠ること
口の中の細菌が糖を分解して酸を作り、この酸が歯の成分のカルシウム塩を溶かす性質があり、これが虫歯の原因となります。でもアルカリ性の唾液で中和されて簡単には虫歯はできません。しかし、食事の後に清掃しないでおきますと、歯の表面に白いヌルヌルした歯垢がつくられ、この歯垢の中で細菌が酸を作りますと、唾液は歯垢にじゃまされて酸を中和できません。ですから歯垢が付いた歯の表面は溶けてしまい虫歯になります。また、このヌルヌルの主な成分は砂糖好きな細菌が作ったデキストランやフルクタンというネバネバした糊状のものです。ところがこのデキストランは砂糖が原料で、他の糖(ブドウ糖、果糖)からはできません。
唾液を調べると虫歯のなりやすさが分かるようになりました。少し工夫しますと、脱灰している(白くなっている)歯もきれいな歯(再石灰化)になります。検査結果に基づいて、それぞれの患者さんに応じたできるだけ負担の少ない方法を提案し、どんな優先順位を付けるのかカウンセリングし、優先順位を選択してもらいます。
虫歯を削って詰める修理より、原因を見つけて生活改善を目指す予防を優先します。先ず、よく話を聞き、本人やご家族の気持ちを理解し、本当のニーズを確認します。また、科学的な異常(疾患)でありませんが、これからどうなるのだろうかと思う不安(病気)にも取り組みます。そして、原因と結果に対する正確な情報を伝え、患者さんのリスクに応じたできるだけ負担の少ない方法を提案し、治療の良い点、悪い点を事前に説明します。それから、医療者側から見た最高の押しつけではなく、患者さんの気持ちを大切にし、治療や生活行動にどんな優先順位を付けるのかカウンセリングし、優先順位を選択してもらいます。